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デジタル戦略推進部 2年目データサイエンティスト 「ビジネス×データサイエンス」で新しい価値を生み出す

こんにちは、CHUGAI DIGITALです。
中外製薬の全社DXをリードするデジタル戦略推進部で、全社横断の高度解析業務、データサイエンスの企画推進、解析要素技術の調査・検証などを担うのが、データサイエンスグループ(以下、データサイエンスG)です。今回は、データサイエンスGの若手社員3名にインタビュー。入社のきっかけ、担当業務と今後のキャリア、「ビジネス×データサイエンス」で新しい価値を創造するために注力すること、中外のデータサイエンティスト職に関心を持つ皆さんへのメッセージを聴きました。

藤森立
2022年 慶応義塾大学大学院開放環境科学専攻博士前期課程修了、同年新卒入社。デジタル戦略推進部データサイエンスG所属。
業務内容:リアルワールドデータ(RWD)解析、クラウド(AWS・GCP)活用と基盤構築

徳山健斗
2018年 大阪大学大学院情報科学研究科博士後期課程修了 博士(情報科学)。食品会社の研究開発職を経て2022年入社。デジタル戦略推進部データサイエンスG所属。
業務内容: 機械学習を用いた画像解析、デジタルバイオマーカー開発、クラウド(AWS・GCP)活用と基盤構築
noteで技術ブログも執筆中!

田村崇
2012年 北海道大学大学院情報科学研究科修士課程修了、新卒入社。同業他社への転職を経て、アルムナイ採用で2022年よりデータサイエンスG所属。業務内容:社内AIコーディネーター、RWD解析、AI創薬の推進

(トップの写真は左から藤森、徳山、田村)

中外でインターンシップを体験し、新卒で入社した藤森さん。大学の専攻は情報科学ですが、なぜ製薬企業へ?

藤森:私は大学で情報科学を専攻し、学生時代は金融系の数理を勉強したり、データサイエンス系のサークルで活動したりしていました。修士課程の研究室はAI・システム系で、IoTデバイスを用いた交通信号機の自律分散処理という課題に取り組んだのですが、現場に行きIoTデバイスを設置することろからやったので、そもそもデータ取得できるかできないかという苦難も経験しました。

その頃に、研究室でデータサイエンス人材育成を目的とした産学連携のインターンシッププログラムを紹介され、参画企業の中で唯一の製薬企業であった中外製薬に興味を持ちました。実はそれまでは、自分が製薬企業に就職するなど考えてもいなかったし、中外の社名さえ知らなかった。でもネットで調べると、AWS導入やPreferred Networks社との包括的パートナーシップ契約締結といった、いろいろな情報が出てきました。DX戦略も明確で、「この会社は、本気かもしれない」と感じました。インターンシップに応募して採用され、入社に至りました。

キャリア採用の徳山さんと、アルムナイ採用の田村さん。中外への転職を考えたきっかけは?

田村:私はいま流行りのアルムナイ採用です。新卒で中外製薬に入り医薬品の製造販売後調査における統計解析を担当しましたが、5年ほどして同業他社である国内の製薬企業に転職。同じ統計解析でも幅広い領域で経験を積みたかったのが理由です。ここでは、疫学研究における統計解析のほか、リアルワールドデータ(RWD)*など国内外の医療データの活用を推進しました。2回目の転職でまた中外を選んだのは、デジタル戦略推進部が新設されデータサイエンティストを募集していると知ったから。製薬バリューチェーン全体を相手にデータサイエンスをやれる、これは面白そうだな、と思いました。中外はアルムナイ制度が充実し、出戻り社員が活躍可能なカルチャーだったのも、気持ちを後押ししました。

徳山:私は大学でバイオ情報工学を専攻し、バイオインフォマティクスをやりながらピペットマンを握って実験も行うタイプの研究に没頭し、情報科学の博士号を取得後、食品会社の研究開発職に就きました。機械学習を始めたのはそこからです。研究開発や生産・製造、マーケティングなど様々なプロセスに機械学習モデルを組み入れ、プロセス改善することに取り組みました。担当プロジェクトに区切りがつき、次のステップを考えたときに、興味をもったのが中外製薬です。デジタルに本気で取り組んでいる企業で、私のバックグラウンドの1つであるバイオの高度な技術を持っている。中外でデータサイエンスをやれれば、自身の強みを伸ばし、もっと成長できそうだと。単純に、そろそろ違うビジネスドメインでやってみたいという好奇心もありました。

田村:私のまわりのデータサイエンティストでも、4-5年でキャリアを見直して、同じ企業の中で、あるいは転職して、異なる環境でのチャレンジをする人は多いですね。

徳山:確かにそれくらいの期間だと、企業のデータサイエンティストの場合、一通りのプロセス改善まで進められます。そうすると、自分の中で何ができて何ができないのか想像できるようになるので、新しいことを始めたくなるのではないでしょうか。

藤森:私は転職経験がありませんが、大学時代、中外製薬以外にもインターンシップを複数企業でうけました。ベンチャー企業、研究所など、さまざまな業界でデータサイエンスの進め方やデータサイエンティストの立ち位置、裁量の違いを知ることができた。その上で中外を選んだので、入社後のミスマッチはなく、いまの環境を楽しんで働いています。

 *リアルワールドデータ(RWD)とは
日常の実臨床の中で得られる医療データの総称です。RWDにはレセプトデータ、DPC(Diagnosis Procedure Combination)データ、電子カルテのデータ、健診データ、患者レジストリデータ、ウェラブルデバイスから得られるデータなどがあります。近年、医療ITの進展により大量のRWDを取得・解析できるようになっています。

現在の業務の内容と、今後取り組みたい領域を教えてください

田村:私はAIコーディネーターとして社内のさまざまなAIプロジェクトを企画・推進していますが、中でも着目しているのは、RWDの医薬品承認申請での活用です。個人情報の考え方や法規制が変わりつつあり、実際にRWDでどこまでできるか、興味があります。基盤構築やデータの匿名加工などの技術だけでなく、行政や法規制の動向を追うのは大変ですが、社内にRWDに関するポータルがあり各部署から情報が集まっており、さまざまな得意分野を持つ社員が定常的に情報を発信してくれるので、とても助かっています。

徳山:私がキーワードとして着目するのは、MLOpsです。「MLOps」とは、機械学習(Machine Learning)と、運用(Operations)を組み合わせた言葉です。業務で様々な部門から解析案件を受け予測MLモデルを作っていますが、それだけでなく、社内のエンドユーザがMLを使える状態にもっていきたい。MLのDS(Data Scientist)としては予測モデルの最適化や予測パイプライン全体の開発をやるし、OpsのDSとしてはデータや予想モデルの監視・更新方法や自動化の仕組みを考える。両方をスペシャリストとしてやるというわけです。いわゆるMLエンジニアですね。エンドユーザが何も気にせずあらゆるバリューチェーンの業務プロセス上でMLを使える状態が理想です。

藤森:私も徳山さんと同様に、MLエンジニアを目指しています。徳山さんと一緒のチームなので、かなり影響を受けている面もありますが(笑)。業務でRWD解析、マーケティングでのクラウド基盤構築を担当しているので、そこに自分のMLエンジニアとしての強みを生かして、社内の成功事例をしっかりと出していきたいです。技術開発する際に、「それは運用できる技術なのか?」という観点を持つことが大切です。ただ社内外を見渡しても、これができる人財はまだ少ない。だから自分が率先して動くしかない。もし、noteの読者で同じような課題感を持つ方がいたら、ここに活躍できる場所があるよ、と気づいてほしいですね。

データサイエンスG、そして、中外製薬の組織風土はどうですか?

田村:中外は組織として風通しの良さが特徴的だと思います。各部門間の交流や、協力しあう場面が多く、みなさんサポーティブです。ビジネス、技術の両面において、部門横断の会議や定期的に情報共有が活発で、上司のトップダウンだけでなく現場の意見を取り入れる体制が上手くつくられています。

徳山:はい、多くの社員がサポーティブというのは田村さんと共通認識です。手をあげた人をヨイショしてみなで支えていくという感じ。トップダウンの影響も強いですが、それだけでなく、ボトムアップもあってバランスが取れていると感じます。横浜に新しい研究所ができて、今後、実験系から新しいデータがどんどん出ていくのも楽しみです。MLモデルをつくろうにもデータがない、というのはよくある話ですが、当社は自前で実験データをつくり、独自のデータからモデルを構築できる。そこが中外の魅力ですね。

藤森:私が中外で学生インターンシップをしていたとき、指導役の社員の方と、とても熱く数理の議論をしたというのが、印象的でした。学生でも決まった課題をやらされるのではなく、テーマの決定から方法論まで、かなり高い自由度で裁量を持ってプロジェクトに関われた。PC1台をもらって解析環境の構築をゼロから先輩社員と一緒にやったのも面白かったです。個人が興味を持つ研究テーマを自ら提案してやる、互いに信頼があった上でビシバシ議論しあうといった印象は、入社してからも変わりません。

こういう人と一緒に働きたい

田村:バイタリティー溢れる人も良いのですが、技術を使ってデータ処理するだけでなく、ビジネス的な意味を考えた上で処理できる人財が求められています。私はAIコーディネーターとしてデータサイエンティストをプロジェクトにアサインし、人財育成、知財戦略、内製と外注のバランスなども考えて社内プロジェクトを進めています。そういったビジネス面の重要性をしっかり認識し、やりがいを感じて全社をリードしていける、そんな方と仲間になりたいです。

徳山:最近、学会や大学での講義など社外での発表を行っていると、数理系や情報系の学生が製薬業界に興味を持って話しかけてくれます。嬉しいですね。自由闊達な研究開発環境でやりたいことをどんどん提案する人、データドリブンな経営につながるデータサイエンスを一緒にやりたいという方がいれば、ぜひ一緒に働きたいです。

藤森:情報科学の学生の就職先という観点では、IT業界の実務系の仕事よりも研究開発に志向性がある人は、マッチすると思います。自分自身もそうですが、要素技術の開発や現場のプレイヤーとしてやっていくことが好きな人には、ねらい目かと。薬学や医学のドメイン知識はあとからでも学べるので、チャレンジしてほしいです。


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