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入社3年以内のデータサイエンティストが本音で語る「中外製薬で働いて気づいたこと」

こんにちは、CHUGAI DIGITALです。中外製薬はヘルスケア産業のトップイノベーターになるべく、新成長戦略「TOPI 2030」のキードライバーの1つとしてDXを掲げ、デジタル人財、中でもデータサイエンティストの採用・育成を強化しています。今回のnoteでは、データサイエンティストとして活躍する入社3年以内の新卒・キャリア採用の社員3名に、仕事の内容や専門性を活かした働き方、キャリアアップについて聞きました。

森 啓太:2021年新卒入社。研究本部創薬基盤研究部マシンラーニンググループ所属。
茶谷 良一:2021年新卒入社。臨床開発本部バイオメトリクス部PHCデータサイエンスグループ所属。
半谷 広央:2022年キャリア入社。製薬技術本部分析研究部デジタルサイエンスグループ所属。
(トップの写真は左から森、茶谷、半谷)

これまでのキャリアと現在の業務内容、「これはやったぞ」という取り組み

森:大学の専攻は生物学で、生物の基礎からバイオインフォマティクス、機械学習まで学びました。博士課程では動物の神経活動・行動の時系列解析を研究テーマとし、2021年に新卒で入社。現在は研究本部の創薬基盤研究部マシンラーニングGで、創薬の初期にあたる研究開発に機械学習を適用する業務を行っています。具体的には、医薬品の候補となる分子の改変過程で適用するベイズ最適化のアルゴリズム開発といった技術開発と、実験チームと協業する創薬プロジェクトの推進とを両輪で進めています。嬉しいことに、入社10カ月目にして、自身が開発に参画した技術が、進行中の創薬プロジェクトに採択され、医薬品開発の次のステップへと活かされるという経験を得ました。理論だけでなく、現実として機械学習が創薬に活用されることを実感する機会となり、大きな達成感を感じました。

森 啓太

茶谷:私は学生時代に医薬品情報学を専攻し、修士課程の研究でリアルワールドデータ(RWD)をもとに医薬品の有効性や副作用の解析、機械学習を用いた予測モデルの開発を行いました。新卒で臨床開発本部バイオメトリクス部PHCデータサイエンスグループに配属され、RWDを用いて特定の疾患や治療歴を持つ患者集団の情報を当社の臨床開発に活用するための探索研究や、ウェアラブルデバイスから得られた生体情報を用いたデバイスの比較など、患者さん由来データを活用したさまざまな高度解析を業務として行っています。各タスクには、私のようなデータサイエンティストのほか、疾患ごとの臨床開発の専門家や、実臨床の実態に詳しいメディカルの専門家などさまざまなメンバーがいます。自身が解析したデータを基にタスク内で議論し、臨床開発の活用に繋げていきます。データが生成された背景やデータの特性を正しく解釈し、次のステップに繋げられるようにサポートすることに達成感を感じています。データを実際に解析している私だからこそできることだと思います。

茶谷 良一

半谷:私は森さん、茶谷さんとは異なり、キャリア採用で入社しました。所属は製薬技術本部の分析研究部デジタルサイエンスグループです。医薬品の生産工場の製造工程の効率化、コスト削減に向けたデータ解析が主な業務内容です。製薬技術の研究開発として培養プロセスのモデリングや最適化も担当しています。前職は鉄鋼メーカーで、化学・エネルギープロセスの研究開発を行っていました。そのため、入社前は医薬品の専門知識はほぼなく、業務もデータ解析ではなく実験がメインでした。業界・職種が変わり苦労している部分もありますが、化学工学と機械学習を組み合わせた技術開発に取り組んだ経験、とくに製造・生産に関わるモデリング手法は中外でも活かすことができています。
入社してすぐ、製薬に関連する各部門の課題を聞き取り、その解決に向けたサポートを行っていくなかで、取り扱うデータが成型されていない、データそのものが少ないといった理由で、一般的な機械学習モデルのみでは解決できない課題があることが見えてきました。こういったケースでは研究開発や生産プロセスとデータ解析の両方の知識が必要となります。まさに「私の出番だな」とプロジェクトをリードし、課題解決に導くことができました。化学工学の専門性と前職での経験が活き、私だからこそ提供できる価値があると感じました。入社してすぐにこういった経験ができ、日々楽しく仕事ができていると思います。

半谷 広央

入社の際に重視していたポイント

森:私が博士課程修了後のキャリアを考えたとき最も重視したのは「ものづくりや機械学習手法の開発がしたく、そのうえで生命科学と情報科学の両方の専門性を発揮できる場であるか?」ということです。アカデミアでポスドクをやることや、IT系ベンチャーやコンサル業界に入ることも検討しました。しかしやはり、自身の専門性を活かすことができて、また分子設計への機械学習の活用やラボオートメーションのプロジェクトに興味を持ち中外への入社を決めました。
 
茶谷:私は薬学部出身ということもあり、製薬業界には強い関心がありました。その中でも、エビデンスベースでの仕事ができる、データサイエンスの専門性を高めることができるという2つの点を重視して、就職活動を行いました。中外製薬はこれに合致していたのはもちろん、具体的なデータ解析事例や、RWDを臨床開発に活かしたいという企業としての想いにも惹かれました。大学で学んだこと以外の解析を学ぶ機会が得られ、自己の成長につながると確信しました。
 
半谷:私は前職の製造プロセスの研究開発からデータ解析へ専門性をシフトできるポジションを探していました。転職先をヘルスケア業界に絞っていたわけではありません。正直、製薬企業がどのような業界なのかもよくわかっていませんでした。しかし中外の業務内容を聞いたときに、自身の経験を活かしつつ機械学習やデータ解析を用いた業務に携われるということで、スキル向上と会社への寄与貢献を両立できると感じました。業種ではなく業務内容に焦点をあて、中外を選んだということになります。

データサイエンティストとしてのスキル、キャリアを上げていくための環境

茶谷:私の所属する臨床開発本部では、プロジェクトメンバーや小規模なグループ単位での勉強会を頻繁に行っています。解析スキルの向上を目的とした社内ハッカソンへの参加やRWDの取扱いに関するガイドラインの輪読会など、様々なテーマに関する学ぶ機会が豊富に用意されています。私はこの社内ハッカソンのプロジェクトメンバーであり、いろいろなアイデアを実装したり、運営をリードしたりすることも楽しんでいます。入社前は、社会人になったら単一の分野でスキルアップしていくものだとイメージしていましたが、実際には違った。いくつものプロジェクトに参画して様々な性質のデータや解析手法に触れることができ、学びの機会の多さに驚きました。臨床の専門家とデータ解析の解釈についてディスカッションする機会も多く、自身の成長を感じています。
 
半谷:データサイエンティストとそうでないメンバー、双方の歩み寄りの文化が根付いていると感じています。所属部門ではデータサイエンスの認知・スキルを向上させるために有志のセミナーを開催しています。講師は自身を含む社内のデータサイエンティストが担当しています。社員のバックグラウンドを問わずデータ解析に触れることができるこのような取り組みによって、自社におけるデジタル活用の機運がいっそう醸成されていると感じています。他部署の社員とディスカッションする機会も多いので、会社全体の業務の流れを理解し、データ解析の技術を最大限活用できるよう日々努めています。
 
森:失敗を許容する文化というか、課題に対するディスカッションが頻繁に行われることも特徴的だと感じています。アルゴリズム開発においては、想定通りの結果が出ないことがよくあります。私のグループでは、気軽に事例や課題を共有し、メンバー同士でディスカッションする習慣が根付いています。上司や先輩が率先して事例を共有してくれるので、自分もチャレンジングな課題に積極的に取り組もうという意欲が湧きます。

これから新たに取り組みたいこと

森:研究者として新しい機械学習技術の開発やそのアプリケーションを行っていきたいと思っています。ラボオートメーションに用いられるロボティクスとベイズ最適化のアルゴリズムを組み合わせることに関心があります。中長期的には、当社が掲げる「創薬研究における生産性の向上」、「R&D(研究開発)アウトプット2倍」という成長戦略に自身の研究プロジェクトが貢献することを目指します。
 
茶谷:データサイエンティストとしての専門性を高め、RWD解析を通じて医薬品の研究開発に貢献したいです。また、ヘルスケア業界全体でRWDの利活用が進むよう、社内外を巻き込みながらプロジェクトを推進していけるような人財になりたいです。 
 
半谷:直近の目標は、機械学習やデータ解析によって課題解決した事例を増やすことです。研究開発や生産現場ではデータが十分にないケースがまだ多くありますが、データだけではなくその背景にある物理現象の理解が有効な場合もあります。中長期的には、こういった状況下でもデータ解析・機械学習の効果を発揮できるよう付加価値の高いソリューションを提供していきたいです。

当社のデータサイエンティスト職に関心をもつ方へのメッセージ

森:今回、茶谷さん、半谷さんとお話しし、創薬の過程における様々なシーンでデータサイエンティストが活躍できる場があることを、改めて実感しました。データサイエンティストとしての得意分野とマッチする業務は、どの部門にもありますね。
 
半谷:そうですね。ヘルスケアのバックグラウンドの有無にとらわれず、新しい知識を吸収しつつ、どのように課題解決していけるかを追求できる方にとって、中外製薬の環境は刺激的で、とても楽しいと思います。化学工業の専門性を軸に、自分が提供できる価値を日々模索しています。
 
茶谷:私も、新たなスキルの獲得と、それを業務に活かすことが好きな方にとっては、当社は最適な職場だと思います。データサイエンティストとしてのスキルアップと、疾患関連の知識のインプットの両方を行うことは大変ですが、学ぶことが好きな方とぜひ一緒に働きたいです。

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