CHUGAI DIGITALの影の立役者!IT知識を生かせる購買職の魅力とは
こんにちは、CHUGAI DIGITALです。今回ご紹介するのは、当社の購買部門の取り組みです。
購買部門は中外DXを支えるサプライチェーンのエコシステム構築に必要な商材の購買ガバナンス、支出管理、サプライヤ調整などを行う重要な役割を担っています。バックオフィス業務のためDXの表舞台には出てきにくいのですが、IT・デジタル技術を活用したビジネスの構造を理解し、高い視座で業務改革の促進をすることが求められる職種です。他業種からのキャリア入社で活躍する東前直樹にインタビューし、中外製薬の購買部門がどのような役割を果たし、どのようなスキルが求められるのか、そして購買部門で働く魅力について聞きました。
-中外製薬の購買部門が行う活動について教えてください
東前:間接材を扱う当社の購買部門の機能は、「ビジネス・パートナリング機能」「カテゴリマネジメント/ソーシング機能」「サプライヤリレーションシップ・マネジメント機能」「契約機能」と4つあります。
ビジネス・パートナリング機能:
ビジネス部門が必要とするニーズや調達要件を把握し、部門ごとのビジネス戦略と調達すべき商材の購買戦略の整合性を取り、調達上の課題を発見し、その解決方法についてビジネス部門に能動的に提案する機能。
カテゴリマネジメント/ソーシング機能:
全社の支出状況を分析してマーケットの状況を踏まえた商材の購買戦略を策定するカテゴリマネジメント機能と、ビジネス部門が求める商材を最適なサプライヤから最適な条件で購入するソーシング機能を指す。
サプライヤリレーションシップ・マネジメント機能:
サプライヤとの健全な関係性を構築・維持し、ビジネス部門がイニシアチブを発揮できるように支援する。サプライヤのパフォーマンスを管理することで、リスク回避にもつなげる。
契約機能:
ビジネス部門が求めるスピードでサプライヤからソリューションを入手できるようサポートする。調達契約をより迅速に行い、よりスピード感をもってビジネス部門の業務効率化、業務の価値向上につながることを目指す。
これら4つの機能のうち、購買部門がとくに強化していきたいのが、ビジネス・パートナリング機能と、カテゴリマネジメント/ソーシング機能です。
-ビジネス・パートナリング機能、カテゴリマネジメント/ソーシング機能を強化する理由は
東前:当社は全社のDX推進にあたり「デジタル技術によって中外製薬のビジネスを革新し、社会を変えるヘルスケアソリューションを提供するトップイノベーターになる」という「CHUGAI DIGITAL VISION 2030」を掲げ、経営トップの強力なコミットのもと、IT・デジタル投資はここ数年で大きく増加しています。そのため従来のサプライヤリレーション・マネジメント機能ではカバーしきれていなかった、部門横断で商材(モノ・サービスのくくり)を捉え、さらに全社DX戦略と各部門の戦略を理解した、より高度な購買の分析・戦略立案が求められています。具体的には、支出データや市場情報の分析から購買改善の示唆を得る、部門戦略の理解のため各ビジネス部門との協議、サプライヤへの働きかけ、新規サプライヤ開拓と既存サプライヤ集約による最適化、内製/外注のバランスの追及など、様々な手を打つことが必要です。これにより、一般的に購買に求められるコスト削減に留まらず、仕様面に踏み込んだ商材調達の改善提言や、サプライヤからのよりイノベイティブな提案の引き出しなどの成果にもつなげていきます。
-中外の購買部門ではたらく魅力とは?人財募集中の「ITカテゴリリード」について
東前:私はキャリア入社で製薬企業以外の事業ドメインも経験しておりますが、業界横断で見ても中外製薬のIT・デジタル投資の総額・割合は目を見張るものがあり、購買改革が事業貢献に与える影響の大きさを実感しています。現在、人財を募集している「ITカテゴリリード」というジョブポジションは、全社DXを牽引するデジタルトランスフォーメーションユニットと密に連携し、中外のIT・デジタル案件の円滑な実施に貢献する役割を担います。ビジネスの課題発見から解決策の考察・実施までを行い、自分がオーナーシップを持ってハンズオンで自由度高く案件を進められる点が特徴で、コンサルティング業務とも似た部分もあります。中外が「CHUGAI DIGITAL VISION 2030」を策定して3年がたちますが、まだ購買組織・機能として不十分な部分もあるので、自分が先頭にたち改革をドライブできる楽しみもあると思います。革新的な薬を患者さんに届けるための、デジタル・IT基盤や、工場のスマートファクトリー化、デジタルバイオマーカー開発などといった先進的かつ大規模な案件を扱えるのも魅力です。
また、ロシュ社と戦略的アライアンスを結ぶ当社は、購買改革においてもロシュ社と連携しており、グローバル人財と交流する機会も多くあります。一方で、中外独自でのITソリューションの導入もおこなっており、自主独立性を保ちながらもグローバルスタンダードの考え方を吸収できる、あるいはグローバルのバイイングパワーを活用して購買活動に当たれる点も大きな魅力です。
-「ITカテゴリリード」に求められるスキル・経験は?
東前:購買部門における「ITカテゴリリード」は、IT・デジタル技術を活用したビジネスの構造と商材の特徴を深く理解していることが重要であり、購買部門での経験やエンジニア的な知識は必ずしも必要ではありません。高い視座をもってビジネス部門とサプライヤを繋ぎながら、コスト削減 だけでなく仕様改善にも踏み込める専門性を身に着けたい方を求めています。例えばIT・デジタルプロジェクトに業務側チームリーダー以上として関わられた方であればキャッチアップが早く、やりがいを感じられると思います。
-購買改革を本格稼働するにあたって、どのような方と一緒に働きたいですか?
東前:全社DXを推進する中外製薬の中にいると、購買機能についてはまだまだ未成熟で、個人の経験や勘に依存したやり方から確固たる方法論に基づいた科学的なやり方にシフトする必要性を感じます。一方で生成AIなど産業革命に匹敵するようなゲームチェンジャーが誕生する中、購買の立場でイノベーションを持ち込める余地は十分にあります。従って、我々が進めようとしている購買改革は、明治維新と産業革命を一緒に進めるようなチャレンジに当たります。
決して簡単ではないものの、“購買部門のケイパビリティや社員のマインドを変えていく”、“新しい技術導入にキャッチアップしビジネスをリードする”といった自ら道を切り開くような仕事にやりがいを感じる方に適したポジションと考えています。想像力を働かせながらビジネスを俯瞰的に見る、数字とロジックで物事を捉える、事象を抽象化して横展開するなどの戦略思考が求められますが、案件に責任を持って深くコミットできる点は事業会社ならではの面白さです。 また、案件ごとの予算規模、業務範囲が大きい点も魅力の一つです。
最後に、今回の記事では、人財募集中のITカテゴリリードの採用ポジションについてお話しましたが、社内のビジネス部門から購買部門の異動で、このようなロールをもつ人財も今後増えていくと思います。中外の社員の皆様にとっても、この記事が社内キャリアステップのヒントになると幸いです!