第38回 人工知能学会全国大会にて中外製薬のAI活用事例を紹介しました
2024 年5月28日(火)-31日(金)に開催された「2024年度 人工知能学会全国大会(第38回)」に出展しました。人工知能学会は人工知能に関連する国内の研究者が研究成果を発表する学会で、今年は浜松アクトシティ+オンラインのハイブリッド形式となりました。
中外製薬は企業展示会場での展示ブース出展、インダストリアルセッション、ポスター発表を行いました。今回は、当社による出展の様子や発表内容をご紹介します。
展示ブース
中外製薬の生成AIを活用したDX戦略と研究開発におけるAI活用事例を紹介しました。
生成AI活用においては、社内で使用可能なLLMについて多くのご質問をいただきました。4日間で100名以上の方が訪れてくださり、皆さんに、当社の取り組みを知っていただく良い機会になりました。
インダストリアルセッション
「ヘルスケア×生成AIの活用事例の紹介」
関沢太郎(デジタル戦略推進部 企画グループマネジャー)
中外製薬の生成AIの活用事例紹介として、弊社内での生成AI導入の流れ、ユースケース、R&Dにおける取組みの方向性について紹介しました。
ポスター発表
スポンサー出展だけでなく、一般ポスターセッションにおいても、中外製薬の社員が3つのポスター発表を行いました。
文献から構築したナレッジグラフにおける機械学習による創薬標的遺伝子探索
〇丹尾 真理子1、中澤 志織2、木部 航希2、生井 伴幸1、茶谷 良一1、和田 学2 (1.中外製薬株式会社バイオメトリクス部、2.中外製薬株式会社バイオロジー基盤研究部)
弊社はRED(Research and Early Development)領域に注力しており、本発表は研究本部と臨床開発本部の協働です。異なる専門分野の知見を結集することで、新たな発見や洞察を得ることができました。
ナレッジグラフにおける機械学習によるがん治療薬レジメン予測
〇舘 功陽1、矢野 雄一1、赤木 健一郎1、夏目 やよい2,3、黒田 正孝2,4、伊藤 眞里2、樋口 千洋2、上野 賢也5、陳 怡安2、丹尾 真理子6 (1.日本電気株式会社、2.国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所、3.徳島大学 先端酵素学研究所、4.田辺三菱製薬株式会社、5.東レ株式会社、6.中外製薬株式会社)
弊社は他業種の方との連携も積極的に実施しており、本発表は「ライフ インテリジェンス コンソーシアム(LINC)」のワーキングメンバーによるものです。IT業界とライフ業界の連携によりがん治療の複雑さに対し、臨床試験データと生物学DBを機械学習で解析することで、新規レジメンの発見を目指しました。
実臨床データを用いたナレッジグラフにおけるがん治療薬レジメン予測
〇長尾 幸子1、丹尾 真理子1 (1.中外製薬株式会社)
ナレッジグラフにおけるリンク予測により既存のレジメンを予測できることが示唆され、新規レジメンの予測可能性の検討に意義があると考えられた。
学会出展を終えて・・
当社のブースでは、デジタル戦略推進部のデータサイエンティストが実務でのAI活用事例や自身のキャリアについて紹介しました。 来場者の方々からは「製薬企業でも生成AIを活用しているんだ」と驚きの声が多数寄せられました。特に、「データサイエンティストだけでなく、エンジニアとしても自分の研究を生かせる点」や「質の高い社内データを活用し、AI技術を研究開発やビジネス意思決定に役立てられる点」に関心を持たれたようです。 このように、当社のブース出展は業界でのAI活用の実態を知っていただく良い機会となりました。