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「DX銘柄」に2年連続で選定されました。DXの"全社ごと"化を進める中外製薬の取組みについて

こんにちは。CHUGAI DIGITALです。
2021年6月8日のプレスリリースの通り、中外製薬は経済産業省と東京証券取引所が選定する「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2021」に選ばれました。

今回は、そもそもDX銘柄とは何か、中外製薬が評価されたポイントは何か、詳しくご紹介します。

1. デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)とは?

「DX銘柄」は、デジタル技術を前提として、ビジネスモデル等を抜本的に変革し、新たな成長・競争力強化につなげていく企業を経済産業省と東京証券取引所が共同で選定するものです。2015年から毎年発表されており、2019年までは「攻めのIT経営銘柄」だったものが、2020年からDXに焦点を当て改称されました。

2021年は国内上場会社約3,800社のうち464社が応募し、28社が選定されました。原則として業種ごとに1-2社が選ばれ、医薬品業界からは昨年に引き続き2年連続で中外製薬が選定されました。

“DX銘柄に選定された企業は、単に優れた情報システムの導入、データの利活用をするにとどまらず、デジタル技術を前提としたビジネスモデルそのものの変革及び経営の変革に果敢にチャレンジし続けている企業です。” (「DX銘柄2021」「DX注目企業2021」を選定しました! (METI/経済産業省))

2. 中外製薬の評価ポイント

「DX銘柄2021」の評価項目は以下の6点です。

Ⅰ.   経営ビジョン・ビジネスモデル
Ⅱ.   戦略
Ⅱ-①. 戦略実現のための組織・制度等
Ⅱ-②. 戦略実現のためのデジタル技術の活用・情報システム
Ⅲ.   成果と重要な成果指標の共有
Ⅳ.   ガバナンス

今回、中外製薬の達成状況は以下の通りでした。

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3. 中外製薬の「DXの“全社ごと”化」

私たちが特に意識しているのが「DXの”全社ごと”化」です。

中外製薬は2030年までにヘルスケア産業のトップイノベーターになることを目指し、2021年2月に新成長戦略「TOP I 2030」を発表しました。成長戦略の2つの柱である「世界最高水準の創薬実現」と「先進的事業モデルの構築」の双方にデジタルの活用を明記し、3つのKey DriverのひとつとしてもDXを挙げています。

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さらに、成長戦略実現に向けた5つの改革「創薬」「開発」「製薬」「Value Delivery」「成長基盤」のすべてにデジタル戦略を落とし込み、プロセスや価値創出モデルの根本的な再構築によってビジネスの革新を目指しています。

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そして、DXの推進にあたっては、「CHUGAI DIGITAL VISION 2030」を掲げ、2030年を見据えたデジタル戦略を実行しています。

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「CHUGAI DIGITAL VISION 2030」を実現するための3つの基本戦略「デジタル基盤の強化」「すべてのバリューチェーン効率化」「デジタルを活用した革新的な新薬創出(DxD3)」のうち、2020-2021年は特にデジタル基盤を強化するフェーズと位置付け、グローバルトップレベルのIT基盤の構築などのハード面だけでなく、デジタル人財強化や組織風土改革などソフト面の強化にも力を入れています。

デジタル人財強化
中外製薬が求めるデジタル人財のカテゴリとスキルレベルの定義づけを行ない、そこに合致する社員数とスキルレベルを可視化しています。ありたい姿とのギャップを抽出し、適切な人財の育成・獲得施策に繋げています。

組織風土改革
「トライ・アンド・エラーの推奨と失敗の許容」、「アジャイル志向」等の浸透に向けて、「Digital Innovation Lab」という社員のアイディアを短期間で具体化・検証する仕組みを構築しました。挑戦する風土形成と新規価値創出の場として活用しています。


なお、「デジタル基盤の強化」と並行して進めている「すべてのバリューチェーン効率化」「デジタルを活用した革新的な新薬創出(DxD3)」の具体的な取り組みについてもそれぞれ2021年上半期にプレスリリースを行っています。

すべてのバリューチェーン効率化の一例:
中外製薬、デジタルプラントの実現を目指し、日本IBMと協働で生産機能のデジタルトランスフォーメーションを展開

デジタルを活用した革新的な新薬創出(DxD3)の一例:
中外製薬の人工知能(AI)を用いた抗体創薬支援技術 MALEXA-LIの成果がScientific Reportsに掲載

4. 中外製薬のDXの今後

製薬業界は、膨大かつセンシティブなデータを扱うことからも、DXによる進化の余地が大きい産業です。また、DXの進展は、ESGと同じく、企業の価値評価においても重要な要件になってきています。

2020年に初めてDX銘柄に選定され、また、当社のDXの本気度や具体的な取組みについての発信を強化することにより、社外からのデジタル人財の応募数が大きく伸長し、デジタル企業からのパートナリングに関する問い合わせも増えたと実感しています。

中外製薬は今後もイノベーションの加速により、患者さん、医療関係者、社会にとっての企業価値を向上させながら、業界全体のDXにも貢献していきたいと考えています。