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キャリア入社1年目のデータサイエンティストから見た中外製薬

こんにちは、CHUGAI DIGITALです。
2020年3月に「CHUGAI DIGITAL VISION 2030」を発表して以来、中外製薬はデータサイエンティストをはじめとしたデジタル人財の採用や育成に一層力を入れています。

今回は、この1年以内にキャリア入社したデータサイエンティストのなかから、デジタル戦略推進部 データサイエンスグループの松浦 健太郎(写真左)、田村 彩(中央)、徐 慧娟(右)の3名に、当社を選んだ理由や新しい環境の印象、実際の取り組みについて聞きました。

データサイエンティストの3タイプ

――データサイエンスグループのなかで、一人ひとりの仕事の役割やデータサイエンティストとしての解析スタイルはどう異なりますか? チームとしては?

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松浦 健太郎:そうですね。ここにいる三人とも、研究開発からマーケティングまで多岐にわたる解析プロジェクトを一人で複数もっています。プロジェクトは他部署からのメンバーと共に構成され、解析担当として私たちのグループから1-2名が入る体制が多いのですが、その中でデータサイエンティスト個人としてどうふるまうか、タイプはみな違って面白いです。

データサイエンティストに求められるスキルセット

1. ビジネス力
課題背景を理解した上で、ビジネス課題を整理し、解決する力

2. データサイエンス力
情報処理、人工知能、統計学などの情報科学系の知恵を理解し、使う力

3. データエンジニアリング力
データサイエンスを意味のある形に使えるようにし、実装、運用できるようにする力

(出典:データサイエンティスト協会プレスリリース 2014年12月10日

松浦:この分類の中では、私は高度解析を行うデータサイエンス力が強みです。「データサイエンティスト」という言葉から一番イメージしやすいかもしれませんが、大きな成果を出すためにはデータサイエンス力が強い人だけを集めても上手くいきません。解析を行うためにデータを使えるかたちに加工するスキルも非常に重要ですし、それらのスキルをベースにビジネス上の課題やニーズを正しく把握して解決へ導くビジネス推進力も求められます。

ひとりのデータサイエンティストがすべてのスキルを高いレベルで満たすということは難しく、タイプの異なるデータサイエンティストがチームを組んで協働するのがひとつの理想形とされています。私たちデジタル戦略推進部のデータサイエンスグループもまさにそのやり方です。

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田村 彩:私はこの分類でいうとデータエンジニア力が強みのデータサイエンティストです。データの処理や加工、ツールの実装、データベースの構築などを行っています。なかでもリアルワールドデータ(Real World Data; RWD) を扱う案件を多く担当しています。

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徐 慧娟:私はビジネス力を期待されています。社内の様々な部門のビジネス課題をヒアリングし、案件化しています。また、データ分析した結果を解釈した上でフィードバックしています。デジタル戦略推進部とビジネス部門とを橋渡しするハブとして仕事を楽しんでいます。

中外製薬を選んだ理由

―― データサイエンティストの就職先として製薬会社はまだメジャーな選択肢ではないと思います。製薬会社、なかでも中外製薬を選ばれた背景について教えてください。

松浦:大学院では数学を使って化学反応を再現し、生物の進化を解き明かす研究をしていました。卒業後はIT企業やバイオベンチャーを経験し、その後は製薬会社でキャリアを積んでいます。自分の得意な解析手法の1つが臨床試験の統計解析で、臨床試験をデザインする仕事などに従事しました。ただ、ひとつの会社で同じことを長く続けていると成長が鈍化してくると感じるので、そのタイミングで中外製薬への転職を決意しました。

中外に入社してまだ日が浅いですが、面接時に聞いていた通り、研究所のデータ解析から、デジタルバイオマーカー開発、さらにはマーケティングまで、幅広い案件に関われるのは魅力です。

田村:私は情報系学部の出身です。遺伝子解析などバイオインフォマティクスも学んでいました。新卒でIT企業にエンジニアとして入社し、そこでエンジニアとしての仕事の進め方やものの考え方を身につけました。その後、元々ヘルスケアに興味があったので、医療系のコンサルティング会社に転職しました。そちらでは健康診断やレセプトデータなどのRWDを解析し、データをマネージしていました。

私も松浦さんと同じように自分のスキルや解析対象の幅を広げたくて、そのために環境を変えたいなと思って転職活動をはじめました。前職では製薬会社は顧客で、一緒に共同研究もしていました。なので業界として製薬会社は良く知っており、ならば DXを全社的に推進している中外だな、と。「CHUGAI DIGITAL」として情報発信していく姿勢も見えましたし。

徐:私は中国の大学で情報系を専攻し、アニメが好きなのもあって大学院から日本に来ました。日本のIT企業を複数社経験して、そこでデータサイエンティストやデータエンジニア、コンサルタントなどしていました。

キャリアを重ねるうちに、コンサルタントとして解析ツールやサービスを事業会社に提供するのではなく、もっと中に深く入り込んで自ら解析案件をコーディネートしたいと思うようになりました。そのほうがツール・ドリブンではなくその会社のビジネスへの還元が目的となった形でデータサイエンティストとしての能力を発揮できるはずだと。

そんなときに「中外製薬がデータサイエンティストを募集している」と知り合いから聞きました。キャリア採用の応募職種を調べると「AIコーディネータ」というまさに自分が本当にやりたいことにぴたっとフィットするものがあったのですぐに応募しました。

実際に入社して分かったこと

――入社前の中外メンバーとの面接もリモートで、入社してからも原則リモートワークが続いていますよね。

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徐:このメンバーでリアルに会うのは3回目ぐらいだと思います。誰とも会わずにひたすらコーディングしているとだんだん息が詰まってくるので、普段からチャットで息抜きの時間をつくるようにしています。

田村:徐さんとのチャットにだいぶ助けられました。中途で入社すると、はじめのうちはちょっとしたことをチャットで聞くのが意外とハードルが高かったりするので。雑談大事です。

松浦:私は黙々と解析し続けてもわりと平気なほうかな。笑


――入社前後のギャップは?

田村:デジタル戦略推進部でやっていることの範囲が広いのは想像以上でした。

徐:デジタル戦略推進部には「データサイエンスグループ」以外にも「企画グループ」「推進グループ」「デジタル基盤グループ」があり、グループ毎に全く異なるスキルセットを持つメンバーが集まっているのが面白いです。グループ間で協働する機会も増えてきたかな。グループ間だけでなく、ほかの部署とも一緒に働くチャンスが多く、良い意味での刺激の毎日です。

田村:あと大きい会社だと思って入社したら意外とスタートアップっぽいところがあって、パイロット的にひとまず試してみることに対して前向きなのはよかったです。

松浦:確かに。でも製薬会社はまだまだ他の業界と比べると保守的で、物事を確実に前に進めることを考えるためか、スピードが遅い傾向があります。中外は、全社のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する特定の部署だけではなくて、さまざまな部門の人がデジタルに対して前向きで自分の中に取り込もうとしている。それはとてもよいことだと思います。

田村:必要とあらば、ツールにもデータにも積極的に投資していて、結構思い切りがいいぞと。

松浦:同感です。いい意味で想定通りだったのは、扱えるデータの種類が豊富なこと。特にデジタル戦略推進部にいると全社からデータが集まってくるので、データの種類が多く、全く飽きないです。

徐:私は入社前から中外製薬のコンサルタントとして案件に参加していたことがありまして、中外のことは結構知っているつもりでしたが、やはり社員だからこそ踏み込める領域があるし、社員だからこそできる提案があることを実感しています。

一緒に働きたいデータサイエンティスト

徐:正解がない問題に取り組むための発想が豊かな人が求められていると思います。言われた通りにやる人よりも、好奇心に突き動かされる人。あとは、データを見て、そのデータがなぜこうなっているのか、些細なところにも気づける人。その点、田村さんはすごくいいです。笑

田村:ありがとうございます。実は、入社前は自分がいままでやってきたことが通用するのか不安もありました。いまは自分にできることが具体的に見えているのでそれを進められています。次は、これまでやったことのないことにも挑戦したいです。製薬会社に入社したからには、データを使い倒すのが使命だと思っていますので。そういう意味でも誰も触ったことのないデータソースや情報を先入観なく正しく見定めて、取り扱い、解釈していける仲間が増えると良いなと思います。

松浦:徐さんの言う通り、私たちが取り組む課題には、明確な答えがないものも多いです。

例えば、「がんを理解したい」という大きな目的はあるけれど、そこへ至る道筋は無数にあります。そのため、ドメイン知識が豊富な他部署の方との議論を通して、自分でマイルストーンを設定し、仮説をどんどん作って検証していけるデータサイエンティストと働きたいです。

徐さんのように社内をコーディネートできるビジネス型のデータサイエンティストとウェアラブルデバイスなどの生体信号処理に長けたデータサイエンティストの需要が高いと思っています。前者は製薬企業ではポジションとして少ないですが、今後ますます重要になってくると思います。後者は前のnoteの記事をぜひ見てください

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