「年間10万時間削減」の目標達成が見えてきた中外製薬のRPA。DXユニット ITソリューション部長が語る秘訣とは?
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「年間10万時間削減」の目標達成が見えてきた中外製薬のRPA。DXユニット ITソリューション部長が語る秘訣とは?

CHUGAI DIGITAL|中外製薬

こんにちは。CHUGAI DIGITALです。

DXだけでなく、働き方改革の観点からもRPAが注目を集めています。
RPAの全社推進にとって「2021年が大きな転機となった」と語るのはデジタルトランスフォーメーションユニット ITソリューション部長の小原圭介。
今回は中外製薬におけるRPA推進の全体像について紹介します。

小原 圭介
デジタルトランスフォーメーションユニット ITソリューション部長
1994年日本ロシュに入社。国内およびアジアパシフィック地域のITインフラ統制業務に従事。2002年ロシュと中外製薬の戦略的アライアンスにより中外製薬に転籍。2008年ロシュ社IT部門(スイスバーゼル)に出向し、医薬品事業部のアーキテクチャ統制に従事。帰任後、全社のIT統制を推進するマネジャーを経て、2019年より現職。 

CHUGAI RPAの特徴

小原:当社におけるRPAの全社展開は2018年からCFO(最高財務責任者)の直轄プロジェクトとしてスタートしました。ちょうどRPAという言葉が世の中でもよく使われるようになった頃です。 

RPAは通常「Robotic Process Automation」の略ですが、中外製薬においては「Reconsider Productive Approach(生産的アプローチの再考)」という言葉に置き換えています。つまり、ロボットを開発する以前に、いまの業務手順そのものを見直すことを重視しています。 

「CHUGAI DIGITAL VISION 2030」の3つの基本戦略のなかでは「すべてのバリューチェーン効率化」に位置づけ、より付加価値の高い業務やイノベーション創出の時間を確保するために業務時間削減に取り組んでいます。 

定量的な全社目標としては、2023年までに年間10万時間分の業務をRobotic Process Automation に置き換えていく事を目指してきましたが、1年前倒しで達成する見込みです。

10万時間は当社社員の年間就労時間の約1%に相当します。積み上げると大きな数字になりますが、「1%の業務を自動化する」と考えれば決して不可能な目標ではありません。 

RPA全社展開における課題と打ち手

小原:2021年は、RPAを本当の意味で「全社ごと」にする大きな転機となりました。

2018年から2020年の3年間で100を超える業務シナリオを自動化し、業務削減時間も順調に推移し、2020年は年間3.5万時間を超えました。ところが削減時間数を組織別でプロットしてみると、RPAに対して積極的な部署とそうでない部署との違いが顕在化してきました。

このままでは、消極的な部署はいつまでも変わらないまま、RPAが特定の部署の取組みに閉じてしまうという危惧がありました。

そこで、積極的な部署がなぜ成功しているかという事を改めて分析したところ、もちろんRobotic Process Automation に適した定型業務を多く抱えていたということもありましたが、「マネジメント層のリーダーシップ」「明確な目標設定」「推進体制の整備」の3点が重要であることが分かりました。

この分析結果を踏まえて、2021年は全社のRPA推進活動のギアをトップに入れ加速を図る再スタートの年として、社内の全ての部門に「RPA活動推進計画書」を作成してもらいました。

計画書には「年間削減目標」「推進体制」「人財育成計画」を記載してもらい、計画の達成に向けた組織長のコミットを引き出しました。

計画書を集計したところ、テーマの粒度やRobotic Process Automation の向き不向きについてはバラツキがあるものの、180を超えるアイデアが生まれ、新たに年間4万時間の削減を見込むことができました。

すべての部門に協力してもらえた背景には、計画書の作成がきっかけとの1つとなり「RPAに取り組まなければならない」という意識が各組織長の中で強くなったからだと思います。計画書は社内公開し、他の部署のものも閲覧できるようになっています。やはり、みんながやっているとなると、組織長の競争意識も自然と高まります。

RPA成功の秘訣

小原:大前提として、いかなる組織にも定型業務は必ずあります。それをやるかやらないか。積極的な部署は小さなことでも自動化していますので、意識変革や掘り起こしが重要です。CHUGAI RPA事務局でもRPA活動推進計画書のアイデアを確認する際にはExcelのマクロツールを活用するなど効率化を行っています。

誰しもこれまでのやり方に慣れている業務は変えたくないもの。「自分の業務は自動化が難しい」という思い込みがRPA推進を阻む一番の敵です。

また、RPAについて社外で講演させていただくときに必ずご質問いただくのがツールの開発体制についてです。

当社ではExcelマクロからより高度な自動化ソリューション、AIツールも積極的に導入しています。様々な選択肢の中から、開発難易度に応じて事務局で外製か内製かを判断するようにしています。

加えて、事務局では社員のアイデアを収集しやすくする仕組みである「RPA IDEA BOX」や「CHUGAI RPA Square」という教育プログラムも用意して全社員への普及を促しています。「RPA Award」という表彰制度もあります。これは手前味噌になってしまうのであまり言っていませんが、RPA推進の鍵は、事務局運営がしっかりしていて、部門からも厚く信頼されていることだと思います。

CHUGAI RPA事務局の担当者、臨床開発本部のRPA推進担当者に具体的な取り組みに続きます。


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