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中外製薬のキャリア採用担当者に聞く、デジタル人財の採用活動

こんにちは。CHUGAI DIGITALです。

デジタル人財強化のため、中外製薬の人事部はどのように変わろうとしているのか。前回の人事部長インタビューに続き、今回はデジタル人財のキャリア採用を担当する諸田大輔に聞きました。

諸田 大輔(人事部タレントマネジメントグループ)
デジタル人財のキャリア採用をリード。自身も2020年に中外製薬にキャリア入社。業界の異なる前職では営業や工場の生産管理を経て人事に従事。ビジネス志向で現場と人事をつなぐのが得意。


デジタル人財として募集している職種は?

諸田:製薬会社というと、白衣を着た研究員など特定の職種をイメージされるかもしれませんが、実はキャリア採用で募集している職種は幅広く、常時50~70職種に上ります。うち20職種前後がデジタル・ITに関する職種です。

こちらの応募職種一覧のページで職種の分類や勤務地によって検索いただけるようになっています。「デジタル・IT」で選んでいただくと、現在デジタル人財として募集しているポジションが一覧で表示されます。

20職種の内訳やジョブディスクリプションの詳細は時期によって変わりますが、以下に大別されます。

  • データサイエンティスト(高度解析・統計型/プログラマ・エンジニア型/ビジネス型)

  • ITエンジニア(インフラ・アプリケーション)

  • デジタルプロジェクトの推進担当者(デジタルバイオマーカーやリアルワールドデータ解析等)

キャリア採用における新たな取り組みは?

諸田:デジタル人財の採用を強化するため、従来からの採用アプローチ(エージェント採用)に加え、ダイレクトソーシングやリファラル採用やカジュアル面談、イベント型採用などにも力を入れています。また、選考ではなくカジュアル面談という形で候補者の方と現場社員がお話する機会も積極的に取り入れています。

なかでも手ごたえを感じたのが2021年8月7日(土)に製薬5社で開催した「製薬×データサイエンス Meetup|なぜ今、製薬企業のデータサイエンスが 面白いのか?」というオンラインイベントです。カジュアルな勉強会とキャリア相談会という形式で開催し、630名の方に参加いただきました。

他業種のデータサイエンティストや学生の方に、製薬企業においてどのような活躍の機会があるのか、まずは興味を持って知っていただきたい。そのためには、1社ではなく同じ課題をもつ複数の会社で協力して、実務を担う現場の社員が登壇し、仕事の内容ややりがいについてデータサイエンティストの立場から語ってもらうことが有効だと考え企画しました。

参加者からのコメントで「こういうイベントはありそうでなかった」という声を多くいただいたのが印象的でした。我々としても、どんなに考えても実際にやってみなければ分からないことがたくさんあります。

イベント単独での効果を見るのは難しいですが、Twitterなどオンラインでも反響をいただきました。認知が高まることによって当社に応募いただく方が増えているのを実感しています。イベント型採用についても、1回でなく継続して発信し続けることが大事だと思っています。

デジタル人財の採用面接においてよく聞かれる、関心の高い質問は?

諸田:ひとつは、ロシュ社との関係です。ロシュと中外の戦略的アライアンスは他にあまり例のないユニークなビジネスモデルですので、経営のオートノミーが担保され、協力すべきところは協力しながらも、切磋琢磨しながら独自のイノベーションを追求しているということについて「本当ですか?」とよく聞かれます。こちらはずばり、本当です。

もうひとつはデジタル人財のキャリアパスについて。デジタルに関する組織や役割はまだ新しいので、過去の延長線上で「こうです」とは言えません。ご本人がされたいことを聞き出し、中外製薬でのポジションについてお伝えしています。ひとつ言えるのは、高度専門人財については、マネジャーだけでなく、プロフェッショナルとしてキャリアを形成するパスもあるということです。

私もそうでしたが、キャリアに関しては個人の価値観や想いがあるので、無理に説き伏せるようなことはしません。当社では社員一人ひとりの自律的なキャリア形成を重視していますので、応募者の方とも対話を行い、うまくマッチングすれば、ご入社いただき、その後は当社でキャリアを切り拓き、願わくはロールモデルになっていただきたいと思います。 

DXによってキャリア採用はどのように変わる?

諸田: 転職市場でもDXが起きており、業界の垣根がなくなりつつあります。デジタル人財など他業種の高度専門人財にアプローチするためには、こちらから動いて業界や当社の魅力を伝え、気づいてもらえなければ始まりません。

全社戦略遂行のため、人を起点に考えて、何をしなければいけないのかを考えぬいて実行するのが人事の仕事です。採用を成功させるためには現場任せでも人事任せでもダメで、現場と人事部がきちんと連携して、お互いにコミットして進めていくことを念頭においています。受け身になるのではなく、DXを仕掛けていく採用担当者でありたいと思います。